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今日は「情報化社会」といわれます。最近ではまた、マルチメディアとかインターネットという言葉が流行になっていますが、両方とも情報化の最先端にかかわる用語です。これまですし店は、情報化とはあまり縁がないと思い込んでいましたが、実はマルチメディアもインターネットも、これからのすし店経営に大きな影響を持っものであることが判ってきました。
マルチメディアの言葉の意味は、メディア(テレビ、電話、新聞、パソコンなど情報伝達手段のこと)の多様(マルチ)化ということです。これは現代の情報手段の種類が増えることと同時に、それらが単一の機器に統合化していくことを意味しています。たとえば、昔の電話は相互に話をする装置でした。今日の電話には、ファックスという文章や画像を送るというメディア機能が組み合わされています。ファクスにはコピー機の機能もついています。今日の電話はさらに、天気予報とか、時刻知らせなどの情報機能も持っています。また、列車や飛行機の予約をしたり、通信販売の商品を注文することも電話でできます。要するに、現在の電話というメディアには沢山の(=マルチ)情報手段(=メディア)が統合されているのです。
将来的には、現在のテレビを中心にして、これに現在の電話、パソコン、ゲーム機、新聞、カラー・プリンターなどの機能が統合していくと考えられています。そして消費者は、その様なマルチメディア化の中で情報を入手し、それらによって日常の生活を営むようになります。同じように事業者もマルチメディアによって必要な情報を集め、自分の提供
する商品やサービスを市場に周知させ、そして売上の一部をそこで揚げるようになります。このような動きはすでに現実のものになり始めています。現在のテレビには、マルチメディアの基本的条件である双方向牲がありませんが、平成8年の10月から簡易型双方向放送サービス(アイティービジョン)が各テレビ局により開始されます。
これはテレビ局側が現在のテレビ電波のすき間を利用して、いろいろな検索可能な情報を送り、視聴者側はリモコン操作で、アイティービジョンに接続された在来の電話回線経由で、クイズ番組の回答やホームショッピングの注文をを送ったり、局側が提供する情報を検索したりすることができるシステムです。これでテレビは双方向性を獲得し、電話とテレビの合体の最初のステップが実現することになります。家電メーカーもこれに合わせて、この秋にアイティービジョン対応のテレビ受像機や、在来型テレビ受像機にアイティービジョン機能を持たせるためのチューナーを売り出す予定です。関係筋は、今世紀内にテレビ受像機の国内総出荷台数の半分近くがアイティービジョン対応機種になると予測しています。
また、パソコンと電話回線を接続して行ういわゆるパソコン通信は、これまでの電話や郵便に代わるものとして注目を浴びています。現在では、世界中のパソコン利用者を結ぶネットワークが形成されていますが、それがインターネットです。このネットワークに加入すると、世界中の加入者とパソコンの画面の上で文章、図表、静止画像、動画、音声で相互にコミュニケートできます。また世界中の図書館の蔵書を調べたり、大学、研究所、団体などが持つ各種のデータベースを利用することもできます。現在、世界中でインターネットを利用している人は1億人以上といわれています。わが国でもインターネット加入者は、爆発的に増加しています。インターネットがどのくらい普及しているかについての、一つの参考情報ですが、日本相撲協会が平成8年9月に開設した「大相撲ホームページ」には最初の5日間で100万件を超える利用があったそうです。
インターネットでは加入者は、ホームページというものを開設すると、自分についての情報を常時発信させておくことができます。最近は多くの企業がホームページをを開設し、これを広報や宣伝に利用しています。政府や地方自治体でも、省庁や部局ごとにホームページを設け、情報提供や政策の説明などに用いるようになりました。個人でホームページを開設し、個人の意見や行動を発表しているケースもあります。そのような動きの中で、最近では業種や地域の商店街などでもホームページを開設するところが出始めています。ホームページと通信販売が合体したオンライン・ショッピングも増えています。インターネット先進国である米国の場合、10年後には、家計支出の20パーセントがオンライン・ショッピングにより販売されると、専門家筋は予測しているそうです。
最近、大手企業の広告や官公庁の広報の片隅に、一見したところ意味不明の http://www.xxxx.or.jp./というような文字と記号の列を見掛けることがありますが、これがインターネットのアドレスと呼ばれる、電話でいえば電話番号に相当するものです。すでにすし店でもホームページを開設し、アドレスを持つところがあると思います。我々すし業もなるべく早い時期に、組合、支部、グループ、個店などいろいろなレベルでアドレスを持つようになりたいものです。
インターネットと並んで、すし業の経営に重要な意味をもっようになると考えられるものが、バーチャル・リアリティ(仮想現実)とかサイバー・スペース(電脳空間)と呼ばれるものです。コンピュータの巨大な記憶容量の中には、たとえば大きな建物とか都市の一部分を、その外観から内部構造まで、立体的な画像として書き込むことができます。要するに、コンピュータの記憶装置の中にバーチャルな、すなわち仮想の空間を作り出すことができます。この空間はコンピュータの画面に呼び出すことができます。そして空間内の移動は自由です。われわれはコンピュータの内部の仮想空間を、歩き回ることができます。
他方画像の質は、コンピュータ・グラフィックス(CG)という技術の進歩で、大変高度になりました。「ジュラシック・パーク」という映画をみた人は、スクリーンに登場するCGで描かれた恐竜の姿と動きが、余りにも真に迫っているのに驚いたはずです。最近ではテレビ番組の導入部やテレビ・コマーシャルなどにCGを利用したものが増えています。
現在開発中のものに、インターネットとバーチャル・リアリティとコンピュータ・グラフィックスを結び合わせたバーチャル・ショッピング・ストリートとかバーチャル商店街と呼ばれるものがあります。これはデパートや商店街などをバーチャル化してインターネット上ににホームページとして開設しようというものです。消費者は自宅のパソコン、将来はマルチメディア・テレビを利用して、居ながらにしてバーチャル・リアリティのデパートや商店街に出かけ、店内を見て回り、店の人から商品を見せてもらい、説明を受けることができます。それが商品の場合、気に入ればその場でクレジット・カードや電子マネーを用いて購入することもできます。すし業の場合でいうと、消費者はバーチャル商店街で適当なすし店を選んで、中に入ってメニューの現物を見せてもらったり、握りの実演をしてもらうことができます。お店で食べたい人は、バーチャル商店街を情報源として利用することになりますが、出前を顧みたい人はそこで注文できます。
以上で述べたマルチメディア化、インターネット、バーチャル・リアリティなどの高度情報化が、現実の世界にどのくらいの早さで到来するかについては、まだ意見は分かれています。しかし、技術的な問題は解決しており、一部が現実化しつつあるのは紛れもない事実です。いずれにしてもわれわれすし店としては、その様な動きに絶えず注目し、同時に自分自身の情報価値を高めることに励み、いつでも状況の進展にスムーズに対応できる態勢を整えておく必要があります。
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